縁音よもやま話

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水谷川優子さん&山本貴志さん演奏会

 早いもので5月も半分を過ぎました。皆さま如何お過ごしですか?今日は5月20日(土)に岐阜市三甲美術館で行われたチェロ奏者の水谷川優子さんとピアニストの山本貴志さんの演奏会に私、マネージャーが行って参りました。今回はその感想を綴ります。

 今回は、三甲美術館でお2人が演奏会をはじめて10周年という記念の演奏会でした。演目はフォーレ、ショパン、バッハ、プーランク。あっという間の2時間でした。「ポーランドのこころを伝えるピアニスト」として有名な山本さんの演奏は聴いているだけで、自然と山本さんのショパンへの溢れる想いが伝わる素晴らしい演奏でした。ポーランドに留学し、現在もワルシャワを拠点に活動していらっしゃるとのこと。山本さんの演奏からは、ショパンを深く尊敬していらっしゃることが、しっかり伝わってくるので、ポーランドの人も嬉しいのではないでしょうか。(もし、ショパンが山本さんの演奏聴いたら大喜びというか大絶賛すると思います。)

 水谷川優子さんは、オーストリアに留学し、現在は日本とドイツを拠点に活動していらっしゃいます。今回の演奏で印象に残ったのは、プーランクのチェロ・ソナタ。お2人の息がピッタリと合った演奏で水谷川さんの何者にも囚われない、自由な魂が表現されていて圧巻でした。曲の合間のお2人によるトークも楽しくて、時間が経つのを忘れてしまうほど。トークでは、山本さんは穏やかで優しく、水谷川さんは鈴の音を転がすようなキレイなお声でお話しされるのですが、ほのぼのとして温かい気持ちでお2人のトークを楽しませていただきました。(水谷川さん、声楽家としてデビューしないかしら?)
 
 演奏会終了後はお楽しみのサイン会。水谷川さんと山本さんのCDを休憩時間中に購入し、お2人にサインをお願いしました。実は、私(マネージャー)がチェロを始めたのは、オーナーの元同僚が水谷川さんのファンクラブの会員で、その方から水谷川さんのCDを戴いたことがそもそもの始まりなんです。チェロを始めてから、1年に一度は水谷川さんの演奏会に足を運んでおり、数年前の演奏会後のサイン会で水谷川さんにチェロを始めた経緯を説明したら、握手してくださったんです!!その日は嬉しすぎて眠れなかったし、暫くは手を洗うのを躊躇ってしまった記憶が・・・。今日のサイン会で以前、握手していただいたお話しをしたら、覚えてくださっておりました(畏れ多い・・・)。それだけでも嬉しかったのですが、CDにサインされる際、私の名前を記入していただいた上、私を真ん中に水谷川さんと山本さんで記念撮影まで応じていただきました。更に、水谷川さん、山本さん、水谷川さんのマネージャーさんに私の名刺をお渡しして、しっかり、チャッカリお宿のアピールまでしました。(仕事熱心なのか厚かましいのか・・・?!)

 お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、このお宿の名称~縁音~は水谷川さんのファンクラブにあやかっております。水谷川さんの公式サイトにファンクラブの名称の由来が説明されておりますが、私たちオーナー夫婦がお宿を始める時の思いと同じだったこと、そして私がチェロを始めるきっかけになったのが水谷川さんだった(水谷川さんに対する尊敬もあります)、というのが私たちのお宿の名称の由来です。サイン会で水谷川さんにお宿の名称の由来を説明したところ、とても喜んでくださいました。改めてこの場を借りて御礼を申し上げます。本当に有難うございます。

 水谷川さん、山本さん来年も岐阜にいらして下さいね。私もお2人の演奏会楽しみにしております。

「音をつむぐ宿 ~ 縁音 ~」に興味・関心を持っていただいた皆さまに、少しでも「縁音」の近況や周辺の様子、その他いろんな情報をお届けできたらとの思いから、このたび『縁音よもやま話』のページを開設しました。時系列など関係なく気の向いたときに更新する、いわゆる“ゆるい”ページですので気楽にお付き合いください。(たまにオーナー夫婦の個人的な意見・感想も書き込むかもしれませんが、その際はあくまで“個人的な……”ということでご容赦ください。)

2月はいろいろありました ①

 2月の頭に立て続けに『縁音よもやま話』を更新しましたが、その後も2月は行事が立て込み、オーナー夫婦はけっこう忙しい日々を送っていました。ネタ的にはいろいろ書きたいことがあり、小まめな更新ができれば良かったのですが、それもままならず、今に至ってしまいました。今回は2月中にあった出来事一つとプライベートでの出来事二つを、記事ボックス①②に分けて紹介します。どちらも長文になっていますがご容赦ください。



1. 熱田神宮参拝と初めての「ひつまぶし」

 プロフィール欄にも書いていますが、オーナ夫婦は神社・仏閣巡りが好きで、熱田神宮にも「全国一宮巡拝」で十数年前に参拝させていただいてます。でも大垣に引っ越し熱田さんも近くなったからには、一度はご挨拶に伺わねばと思っていたのですが、なかなか熱田さんからお呼び(?)がかからず、11日の建国記念の日にようやく参拝させていただくことができました。オーナー自身、十数年ぶりの参拝(マネージャーは後に友人と参拝しています)だったため、境内の印象を忘れてしまっており、こんなに広く摂社・末社もたくさんある神社だったんだなと改めて感激しました。

 オーナーは実は文字通りの“お祭り男”でして、神社参拝した際、下調べなどしていないにもかかわらず祭礼や特別行事にぶつかることがとても多いです。(ちなみにマネージャーは“結婚式&初宮参女”で数々の神社婚と初宮参りに遭遇します。)今回も弓馬術礼法小笠原教場31世宗家清忠氏他門人による「蟇目之儀(ひきめのぎ)・百々手式」の奉納に立ち会うことができましたので、しっかりと見学させていただきました。古式装束に身を包んでの歩射の儀式を目の当たりにし、元日本史教員のオーナーは大興奮でした。

 オーナ夫婦は神社参拝した際、基本的に本殿だけでなく全ての摂社・末社を巡拝するのでお参りにはとても時間がかかります。今回は後述する「ひつまぶし」を食べに行く計画も立てており、予約時間まで約2時間あったので十分まわれると思っていたのですが、奉納見学をしたために全てをまわりきることができず、結局食後に再参拝となりました。その際、熱田さんの御神域を巡る「こころの小径」を通って各摂社にお参りさせていただきましたが、その際、本殿のほぼ真後ろで、背後の小高い森に入る“入り口”(扉付き)らしきものを見つけました。というかこれ、その周辺の景観から見てどうしても古墳の石室の入り口としか見えなかったです。ところが帰ってからネットで調べたところ、ほとんどの記事が「防空壕」としていました。でもたとえ防空壕であったとしても、古墳の石室を防空壕代わりに利用したと考えられます。神社が古墳の上、あるいは古墳近くに鎮座していることはよくあることです。(「縁音」の近所にある御首(みくび)神社の境内社(お稲荷さんだったかな)も古墳の上にあります。)古墳は古代から聖域(被葬者との関係もあって)だったので、さらに神様をお祀りする神社を鎮座させたことは十分ありえます。神殿はご神体を背後に置いて建てることは古代において当たり前なので、熱田さんの創建もこれに準じたものではないかと大学時代に磐座祭祀を研究していたオーナーは勝手に考察しています。熱田神宮境内に古墳があるとは公式HPにも記載されていないので、私の勝手な思い込みかもしれません。でも……ミステリーです。

 さて、次は「ひつまぶし」の話です。名古屋グルメとして有名な「ひつまぶし」ですが、マネージャーが友人と一緒に食べた「あつた蓬莱軒」の「ひつまぶし」を是非食べてもらいたい、と長年言い続けていましたので、初めて食べる時は「あつた蓬莱軒」で……と思っていて、今回やっと念願叶って味わうことができました。ネットで調べると、本店では11時半開店だけど、事前予約していないとまず入れないとか、さらに10時半頃から入り口前で予約受け付けしていると書かれていたので10時15分ぐらいに蓬莱軒に到着したところ、スムーズな受付で12時20分の予約が取れました。こういうのはやっぱり事前にしっかり調べておいて正解だなと思います。で、前述のように参拝を途中で切り上げ、蓬莱軒におじゃましました。一人前の「ひつまぶし」は量が多くて女性は食べきれないとのコメントが多数あり、夫婦の場合は「一半ひつまぶし」をシェアして食べるというコメントも見つけたので、今回は夫婦で「一半ひつまぶし」と「う巻き」「お刺身盛り合わせ」を注文しました。「ひつまぶし」の食べ方はテレビでよく紹介されますし、店内に食べ方が表示されていましたので、そのまま、薬味乗せ、出汁茶漬けと味わっていきました。ネットではちょっと甘めとのコメントもありましたが、私にとってはちょうど良い味付けで本当に美味しくいただきました。4膳目は美味しい出汁も十分余ってましたので、やっぱり出汁茶漬けにしました。美しいお庭を眺めながら美味しいお料理を満喫でき、「熱田の神様のご褒美やね」と二人で話しながら、ゆったりとした時間を過ごすことができました。少食の女性と「あつた蓬莱軒」にお邪魔するなら、「一半ひつまぶし」のシェアはお財布にも優しいのでお勧めです。

2. 「縁音」で映画のロケが行われました!

 大垣フィルムコミッションからの依頼があり、開業して半年もたっていない「縁音」で映画のロケが行われました。“古民家をリノベした建築”という「縁音」のキーワードを監督さんやプロデューサーさんが目にとめられたようで、1月の下見を経て13日の昼頃から夕刻にかけて4シーンの撮影をされました。オーナー自身、撮影現場を見るのは初めてで、撮影には主演の方を含め3名の男優さんと監督を含め20名ほどのスタッフの方が訪れ、それぞれのシーンはそんなに長いものではないのに、何度もカメラチェックをされて本撮影に臨まれていました。私自身も6時間ほど撮影現場に立ち会っていましたが、予想外のトラブルもあって現場が“てんやわんや”になったりもして、撮影現場では“あるある”のことだったのかもしれませんが、映画(きっとテレビも)の撮影って本当に大変なんだなとつくづく思いました。

 実はオーナー、当日いきなり監督さんからセリフ付きでの出演依頼を受け、後ろ姿ですがポーズも決めて1シーン出演してしまいました。メチャクチャ緊張しました!実際にはカットされちゃって映画では映らないかもしれませんが、銀幕デビューできてたらとてもうれしいです!!映画の詳細は今はまだ公表できませんが、公表OKが出次第また「よもやま話」でお知らせいたします。なお撮影当日、車の通行その他でご協力いただいた近隣の皆様方にこの場を借りてお礼を申し上げます。
熱田神宮の社叢
「蟇目之儀・百々手式」の一コマ
あつた蓬莱軒本店の「一半ひつまぶし」
あつた蓬莱軒本店の「う巻き」

2月はいろいろありました ②

3. 久々の大阪行き

 22日、元の職場の同僚たちがコロナのために実施できなかった3年分の歓送迎会を開いてくれるということで、久々に大阪梅田に行ってきました。久々の飲み会(こんな居酒屋(今回は焼き鳥屋さん)での「飲み会」は、もう2度とないんだろうなぁ……と、飲み会文化が好きな私としては、少々感傷的になってしまいました。)で、かつ懐かしい顔ぶれに出会い、少々舞い上がってしまいました。会を催してくださった元同僚の皆さん、本当にありがとうございました。場所は曾根崎・お初天神界隈だったのですが、久々に歩いての印象が“焼き鳥屋さんばっかりやなぁ”でした。何か本当に、焼き鳥屋さんが目に付きました。コロナの影響で長らく飲食店は経営が厳しい状態にありましたが、以前は普通の居酒屋さんでいろんなアテがある中での“焼き鳥”だったイメージなんですが、今は“焼き鳥”を前面に押し出す店ばっかり(けっしてそんなことはないのでしょうが)の印象を受けてしまいました……。これはこれでお店間の競争が大変だと思うし、お客サイドとしてはお店を選ぶ選択の幅(食の嗜好による)が狭まるし、もうちょっとお店の多様性があってもいいのではないかなぁと思いました。それとも現代の客の嗜好がSNSの誘導で限定されるようなってきてしまっているのでしょうか。オーナーは“我が道を行く”タイプの人間なので、選択幅が広い世の中の方が嬉しいです……。

 さて、飲み会だったのでビジネスホテルで一泊し、翌日、梅田をブラブラしてきました(といっても本屋と楽譜屋と百貨店ですが)が、以前から欲しかったものとお宝を計3点発見し、ゲットしてまいりました。

 一つ目はアバンザ ジュンクで見つけた斎藤惇夫先生の児童文学『哲夫の春休み』(上・下巻  岩波少年文庫版)です。斎藤先生は私の愛読書だったガンバ3部作の作者ですが、3部作以外の児童書を出版されていたことを長い間知らず、つい最近になって『哲夫の春休み』と『河童のユウタの冒険』(上・下巻  福音館書店)が出版されていることを知りました。『河童の……』は去年東京へ行った際に銀座 教文館で手に入れましたが、『哲夫の春休み』はいろんな本屋で探していたのですがなかなか見つからず、今回やっと巡りあって読むことができました。この作品はそれまでの作品と違って人間を主人公にしたファンタジーでしたが、斎藤先生が生まれ故郷の新潟長岡への憧憬を、今回は具体的に描かれたものと受け止めました。出版されて時間がたった本は今はなかなか手に入れづらかったので、これでやっと“ガンバ”ファンとして一人前になれたかと思います。

 2つめはササヤ書店でプッチーニの『交響的前奏曲(Preludio sinfonico)』のスコアを手に入れたことです。アマチュアオケで活動していた頃、私好みのかっこよく、メロディックで少々マニアックな曲(一般のオケではあまり演奏されない曲)を選曲会議に提案するため、音源とスコアは必須だったので、ササヤ書店によく出没していました。アマオケをやめてからも気に入ってた曲のスコアは“買っておきたい”衝動にかられ、けっこう大枚はたいて購入しています。で、今回のスコアですが、プッチーニはオペラの作曲家として知られおり、単独の管弦楽曲は少なく、私も『シャイー コンダクツ プッチーニ』というCDでプッチーニの美しい管弦楽曲の世界を知りました。CDの中には『交響的前奏曲』と『交響的奇想曲(Capriccio sinfonico)』が収録されており、こんな曲を演奏してみたいなぁと当時は思っていたのですが、以前ササヤで『交響的奇想曲(Capriccio sinfonico)』のスコアを見つけて即買いし(その時よく似たタイトルの『Preludio a Orchestra』を見つけたのですが、楽譜を追ってみたら私の知っている旋律とは違ていたので、その時は迷いながらもそのスコアは購入しませんでした)今回久々にササヤを訪れたので再度プッチーニのコーナーを物色していら『Preludio a Orchestra』とともに、『Preludio sinfonico』を発見し、楽譜を読んでみると私の知っている旋律が出てきて思わず「あった~」と声(小さな)を出してしまいました。値段はしましたが今回も即買いでした。掘り出し物を見つけた気分でむっちゃ嬉しかったです。東海圏の皆さんには申し訳ありませんが、本屋と楽譜屋に関しては名古屋も含めて東海圏では非常に残念な思いをしています。ササヤ書店、あるいは神戸楽譜なみの楽譜屋さんが東海圏にもあれば、うれしいのですが……。

 3つ目は、アバンザ ジュンクの帰りにドージマ地下センターで「青森・岩手えぇもんショップ」というアンテナショップを見つけ、写真の商品を見つけてしまったことです。47都道府県全県制覇し、かつ各地のアンテナショップ大好きオーナーとしては、ついこのようなアンテナショップを見つけたら立ち寄ってしまうのですが(前日はホワイティうめだの「新潟おこめ」で阿部幸製菓の“柿の種のオイル漬け”と辛み調味料の“魚沼かぐら辛っ子”“かんずり吟醸6年仕込み”を購入)、今回店内をブラブラしていてこのビールを見つけた時、ある種、むっちゃタイムリーな商品を見つけてしまったなぁと思い、買ってしまいました。2月20日に
松本零士先生が亡くなっておられたことが発表されていたからです。オーナー世代は松本先生のアニメ・漫画で育ったといっても過言ではなく、アニメでは宇宙戦艦ヤマトにはじまり、ハーロック、999、漫画では『男おいどん』など代表作をあげればキリがないですが、こんなイラスト缶のビールが販売されていたなんて思いもしませんでした。ヤマトは別として、当時の999人気はとんでもなかったのですが、へそ曲がりのオーナーは999の前に放映されていた「宇宙海賊キャプテンハーロック」にドップリとはまっていため、999の主人公(星野鉄郎)が少年だったこともあり、何だか子ども向けアニメって感じがして視聴していませんでした(情報的にはアニメ雑誌等で一応押さえてはいましたが)。岩手・花巻が『銀河鉄道の夜』の宮沢賢治の生誕地でもあり、999の人気が当然町おこしに使われたんだと思いますが、いざ、このような商品を見てしまうと、ファンはつい手を出してしまうと思います。で、オーナーもつい店舗にあった全種類の缶を購入してしまった次第です。(ただし、帰宅後ネットで調べたら「クレアのホワイトIPA」缶があり、全5種類だったそうです。全種類押さえた積もりだったのに……残念……。)まだ飲んでいませんが、開缶の際は、松本零士先生のご冥福をお祈りしながら献杯したいと思います。(2月の訃報がらみでは、13日に人形作家の辻村ジュサブロー先生の訃報が流れたこともショックでした。小学4年生の時にNHKで放映された人形劇「新八犬伝」は本当に大好きで、友人と「ケンちゃんは犬塚志乃、ヒサオくんは犬飼現八、ボクは犬川額蔵な」などとゴッコ遊びに興じたものでした。『我こそは玉梓(たまずさ)が怨霊~』(ドロドロドロ(太鼓の音))というセリフは今でもマネできます。2つの主題歌も歌えます。十数年前、一宮巡拝で千葉県を訪問した際、館山市の館山城(八犬伝博物館)で当時の人形(あの時はそれこそ玉梓人形が展示されていたと思います)を見たときの感動は今でも忘れられません。この歳になってくるといろんな方の訃報がめにとまります。松本先生、辻村先生どうぞ安らかにおやすみください。)


 2月は上記以外にも、この地での新たなご縁をいただく話が舞い込んだり、宿泊棟南側の外構工事が始まったり、前職時代の卒業生の来訪、初めての青色申告での戸惑い等、いろんなことがありましたが、無事に3月の営業再開を迎えることができ、ありがたく思います。

今回もとんでもない長文になってしまいました。写真もいろいろ載せたかったのですが、当HPは1つの記事ボックスで写真が4枚しか掲載できないので厳選写真を掲載しました。最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございました。  (3月3日)
斎藤惇夫著『哲夫の春休み』上・下巻(岩波少年文庫)
プッチーニ『交響的前奏曲(Preludio sinfonico)』スコアより
ヘリオス酒造 沢内醸造所の銀河鉄道999ビール
私にとっての1番はやっぱりこれ!!

天沢退二郎先生のご冥福をお祈りいたします

 昨日(2023年2月2日)、天沢退二郎先生が1月25日に亡くなられていたことをネットニュースで知りました。天沢先生は詩人や宮沢賢治研究家、フランス文学者、翻訳家などの肩書きをお持ちでしたが、私にとっては児童文学『光車よ、まわれ!』の作者として忘れられない方でした。

 『光車よ、まわれ!』は、ある雨の日から始まった怪異(あやかし)に気づいてしまった主人公 一郎が、怪異と戦う龍子たちのグループの仲間となり、怪異に打ち勝つために3つの「光車」を集める冒険譚ですが、“水の悪魔”“地霊文字”“ウラの世界”など心をそそるキーワードが出てきたり、秘密基地にしていた廃工場のやぐらが怪異と戦う船にトランスフォームしたり、戦いが終わって龍子と仲間たちが去った後、別の形で事件に巻き込まれた少女ルミと一郎だけが新たな戦いに向けて歩き出すエンディングに、当時NHKで放映されていた少年ドラマシリーズや、少年と少女の淡い恋愛ストーリーが大好きだったオーナーはすっかり虜となり、何度も図書館で借りだしてはむさぼるように読んでいました。社会人になってから筑摩書房から新版が出ているのを見つけ、懐かしくなって買い求めましたが、何度読んでも読み飽きることはなく、当時難解で意味が読み取れなかった箇所も大人になって読み返してやっと理解できたりなんかして、今でも時々読み返しています。ネット記事のコメント欄に『光車よ、まわれ!』にからめてのお悔やみコメントが多数載っているのを見て、きっと私と同世代の方で私と同じように『光車よ、まわれ!』を愛読された方がたくさんいらっしゃったんだなと感慨深いものがありました。

 天沢退二郎先生、享年86歳。多くの少年少女に感動を与えてくださりありがとうございました。ご冥福をお祈り申しあげます。 (2023年2月3日)


1973年の初版表紙 幻想的な司修氏の絵に惹かれましたhttps://eision.net/?pid=130953630

あるホルン吹きのつぶやき

 オーナー夫婦はあまりテレビドラマを見ないのですが、最近日本テレビ系で水曜夜10時から放映されている『リバーサルオーケストラ』にハマッています。埼玉県の架空の公立プロオケ「児玉交響楽団(玉響)」の立て直しの為に招聘された市長の息子の若手世界的指揮者(田中圭さん)と、彼にコンサートミストレス(コンミス)として抜擢された市役所職員の元天才バイオリニスト(門脇麦さん)が、仲間の楽団員たちとともに“玉響潰し”を画策する市会議員(声優の津田健次郎さん)の陰謀に立ち向かっていくドラマです。オーナー自身もアマオケ経験が長いため、ドラマのあちこちで描かれる“オケあるある”に爆笑しながら毎回楽しく視聴しています。俳優の皆さんの演奏シーンもすばらしく(特にティンパニの渋川清彦さんはスゴいです)、よくそれぞれの楽器の奏法を練習されたと感心しています。またちょっと影のあるくせ者キャラクターを演じさせたらピカイチの津田健さんの怪演にもワクワクしています。その中で、最初は正直「おいおい」というほど下手くそだった玉響が、田中圭さん演じる指揮者の指導の下で素晴らしい演奏に変わっていくのですが、その玉響の実際の演奏を担当された神奈川フィルハーモニー管弦楽団の方達がよくその“下手くそ“さを演じられたなと感動いたしました。(ぶっちゃけ、上手な演奏は当たり前だと思いますので、ひねくれ者のオーナーは、上手な方がわざとヘタな演奏をされるところに心を動かされた次第です。)

 さて本題です。これほど楽しんでいるドラマ『リバーサルオーケストラ』ですが、一つ大きな不満があります。それは……ホルンの扱いがあまりにも粗略すぎる!!!ということです。オーケストラは様々な楽器で構成されています。大まかに分けて弦楽器、管楽器(木管・金管)、打楽器となりますが、ホルンは木管楽器群の中でのオーボエとともに、金管楽器群の中の花形楽器です(ラッパ吹き、ボーン吹き、チューバ吹きの皆さん、ゴメンナサイ……。でもホルンは他の金管と違ってメロディーやソロもいっぱいありますし(この点は吹奏楽のホルンと大きく違います)、オケ曲におけるホルンの吹くところは他の金管より圧倒的に多い(=楽譜のページ数が多い)ですし、金管アンサンブルは当然として、弦楽器、木管楽器ともアンサンブルを組めることからも「ホルンが花形」と豪語しても良いと思っています(オーナーの個人的見解です……))。それなのに、演奏シーンでホルンの演奏している姿がほとんど出てこない!オーボエ奏者には平田満さんが配されて渋い演技をされているので演奏シーンも多く映りますが、ホルン奏者に俳優を充てていない?ためかもしれませんが、本当に映らないんです!!TVerの“演奏シーン特別編集版”を観たら、トロンボーンの女性奏者のソロシーンではトロンボーン・チューバ奏者が結構映ってます。でもホルンパートは4人がほんの1カット映っただけです。この扱いは一体どういうこと???ホルンの扱い、あまりにも酷くないですか!!!!吹奏楽では金管はトランペットが主役で次がトロンボーン、ホルンはその次ぐらいに扱われて(オーナーの個人的感想です)いるので、もしかしたら、脚本・演出家の方達もそのイメージで、今回のドラマがオーケストラのドラマであるにもかかわらず演出をされているのではないか、と勘ぐってしまいます。と、これぐらい憤慨しながらドラマを見ているとエンディングのしんみりとした一番良いシーンでチャイ5(チャイコフスキーの交響曲第5番)のホルンソロのメロディーが流れたり(ピアノ演奏です……)して、「どないなっとんねん!!」とテレビに向かって“ツッコミ”まくってしまいました。今後はホルン奏者にもっとスポットライトを当てていただきたいと切に願っております。

 いろいろ書きましたが『リバーサルオーケストラ』、オーケストラ関係者には最高のドラマだと思います。まだご視聴なさっていない方はTVerやhuluで第1話から第4話(現時点での最新話)までまだ見れますので、是非ご覧になってください。(2023年2月2日)

金生山の今年の雪は?

 1月24日から26日にかけて、この冬一番の寒気が日本列島に流れ込み大雪になるとの報道が続き、実際に各地で雪による様々な影響が出ているようです。被害を受けられた方々には心よりお見舞い申し上げます。

 さて当宿は昨冬、何度か大雪に見舞われたこともあり、予約される皆さまにご迷惑をおかけしないようにするため、冬期休業を設けております。今冬は全国ニュースで、昨年12月17日と23日、そして昨日の1月24日に大雪予報が出ましたので、当宿でも積雪に対する備えをしていたのですが……、今年はおかげさまで現状、雪が少なくて助かっています。12月18日はまったく雪は積もらず、24日のクリスマスイブが初積雪となりましたが、積雪量は我が家の庭(土)で12cm、縁音前の坂道(アスファルト)で5cmと一昨年12月の積雪の半分ですみました。また大晦日から元旦にかけては全く積雪がなく(昨年の元旦は、当宿前の坂道を初日の出見物帰りの高校生たちが運動靴のままスキーをしているように滑り降りていました)、昨日は夕刻から粒状の雪が降り始めてアッという間に車上に積もりだしたので、今朝はいったいどうなっていることやらと心配していたのですが、積雪量は昨晩とほとんど変わっておらず庭で2cm、坂道で1cmでした。

 地元の方は去年のような大雪は何十年ぶりかのもので、最近はほとんど雪は積もらないとおっしゃっていたのですが、今年は今のところその言葉通りになっています。とりあえず現状報告ということで、また雪の状況を上げさせていただきます。
12月24日の積雪(庭)
12月24日の積雪(宿前坂道下り方向)
1月25日の積雪(庭)
1月25日の積雪(宿前坂道上り方向)

明星輪寺さんの“初こくぞう”

 縁音に至る坂道をさらに登っていくと、金生山明星輪寺に着きます。『近隣の名所旧跡』ページにも記載していますが、明星輪寺は「こくぞうさん」の名で地元で親しまれている真言宗の古刹です。ご住職には引っ越してきて以来お世話になりっぱなしで、中日新聞や岐阜新聞に「縁音」の紹介記事が掲載されたのも、ご住職の大垣市観光課へのお声がけのお陰です。本当にありがたく思っております。

 さて、明星輪寺さんでは年間を通して様々な行事が行われているのですが、今回は毎年1月12・13日に行われる“初こくぞう”を紹介いたします。
 私が“初こくぞう”に参詣させていただくのは今年で3回目(当地への下見段階の時と、引っ越し直後の昨年、そして今回)です。12日は朝9時から参道が車両通行止めとなり、お昼頃には露店が並びます。今年は平日でしたが昼間からたくさんの人がお寺へ登っていかれました。15時を回ると子供たちの声が聞こえ始め、親子連れや若い人たちのグループ、中高生の集団が次々とお寺へ向かいます。縁音からの景色・夜景も綺麗なのですが、化石館前の展望駐車場、さらにそこからお寺へと進む尾根伝いの参道からの夜景が絶景で、多くの宵参りの方が夜景を楽しみながら登って行かれます。
 なぜ夕方から参詣者が増えるかというと、19時から山門前で柴燈護摩供が行われ、その後“火渡り”に参加できるからだと思います。柴燈護摩供は、野外に柴を使った護摩壇を設け、道場清めの儀式を行った後、柴と護摩木を燃やして世の中の悪行と病魔を焼き尽くし、残り火の上を裸足で渡って開運長久、無病息災を祈願する儀式です。たくさんの修験者(山伏)さんが儀式の節目々々で法螺貝を吹かれる姿を見ることもできます(一応オーナーも大峰山で小先達の免状をいただいて法螺貝を所持していますので、“初こくぞう”で法螺貝の音を聞くのを楽しみにしています)。
 護摩の炎がある程度落ち着くと、護摩壇が崩され火渡り儀式用に組み直されます。そして、修験者の方たちが火渡りされた後、一般の参詣者も火渡りに参加させていただけます。私も今回で2度目の参加をさせていただきました。炎の上がる丸太の上を裸足で歩くので、ものすごく熱いのではないかと恐怖心に駆られたりしますが、印を組んだ手にお不動さんのお札を持って丸太を渡ると、意外に普通に歩けるものでした。お年寄りから子供たちまで、今年は300人くらい渡られたようでした。渡った後は何だかすがすがしい気分になり、心身ともに火による浄化を受けることができたように思います。

 “初こくぞう”の日は毎年1月12・13日(柴燈護摩供は12日夜)と決まっていますので、12日が平日になってしまうと大垣近隣以外の方は参詣しにくいと思いますが、柴燈護摩供や火渡りに参加できる機会など滅多にないものですので、機会があれば明星輪寺さんの“初こくぞう”に是非ご参詣ください。
「縁音」前の露店(設置直後)
参道よりの大垣夜景
柴燈護摩供
参詣者による火渡り